X線透過性を活かしたレントゲン撮影補助具|発泡スチロール加工の活用例

医療機関や研究機関でレントゲン撮影(X線撮影)を行う際、被写体の姿勢保持や位置決めのために用いられるのが撮影補助具です。補助具にはさまざまな素材がありますが、なかでも発泡スチロール(EPS)やXPSなどの発泡樹脂は、X線を通しやすく画像に写り込みにくい素材として活用されています。

X線撮影では、補助具そのものが画像に影響しないことが重要です。その点、発泡スチロールやXPSはX線透過性に優れ、被写体を安定して保持しながら撮影の妨げになりにくいという特長があります。
本記事では、X線撮影で補助具が必要になる理由、X線透過性の考え方、発泡スチロール加工が補助具に適している理由、活用例について解説します。

X線透過性とは何か

X線透過性とは、素材がX線をどの程度通しやすいかを示す性質です。X線は物質を通過する際に吸収・減弱されますが、その程度は素材の密度や厚み、構成元素によって異なります。

一般に、原子番号の大きい元素を含む素材や密度の高い素材はX線を通しにくく、画像に白く写りやすくなります。一方、炭素や水素など比較的軽い元素で構成される樹脂系素材や、内部に空気を多く含む発泡体は、X線を通しやすい傾向があります。

レントゲン撮影用の補助具には、こうしたX線透過性の高い素材が適しています。補助具が画像に写り込むと、観察したい部位の確認を妨げるおそれがあるためです。発泡スチロールやXPSは、軽量で低密度なうえ、X線画像への影響を抑えやすい素材として扱われています。

発泡スチロールやXPSが撮影補助具に向く理由

発泡スチロール(EPS)や押出発泡ポリスチレン(XPS)は、撮影補助具やポジショニング治具の素材として多くの利点があります。

X線に写りにくい(高いX線透過性)

発泡スチロールやXPSはX線をよく通すため、撮影時に補助具が画像に映り込みにくく安心です。

非常に軽量で取り扱いやすい

発泡スチロールは素材の大部分が空気で構成されているため非常に軽く、大きな治具でも簡単に持ち運び・設置ができます。例えば撮影用の補助ブロックを現場で配置・微調整する際も、軽量であればスタッフの負担が少なく安全です。万一落下・転倒しても重量物に比べ危険性が低く、患者の体に当たっても怪我のリスクが小さいという安全性の利点もあります。

加工しやすく複雑な形状にも対応

 発泡スチロールやXPSは切断・成形が容易で、手作業でのカットはもちろん、NC切削機による高精度な加工にも適しています。発泡体は刃物で切り出したり熱線で自由な形に切断したりできるため、患者の体の一部を支える特殊な形状クッションや治具も比較的短時間で製作可能です。

単品製作や小ロットでも低コスト

発泡スチロール素材自体が安価である上、加工も短時間で済むため、1個だけの特注品製作でも比較的コストを抑えられます。他の素材では少量生産だとかえって割高になることが多いですが、発泡スチロールの場合は必要最小限の数量から発注でき、予算内で収まるケースがよくあります。

アデムカが対応できる加工

アデムカでは、上述したレントゲン撮影補助具・治具のオーダーメイド製作にも幅広く対応しております。お客様からご提供いただいた図面やCADデータをもとに、発泡スチロールや各種発泡樹脂材料を高精度に加工し、ご要望の形状を再現します。

CADデータからの直接加工

2次元図面(DXF形式など)や3D CADデータ(IGSなどソリッドモデル)を受け付けています。データを元に加工機用のプログラムを作成し、自社工場にてミリ単位の精度で発泡体ブロックを切削・成形いたします。もちろん手描きスケッチや画像資料しかない場合でも、弊社側でCADデータを起こすお手伝いが可能です。

複雑形状・高精度加工

アデムカでは、直線カットから曲線加工、穴あけ、3次元曲面の切削まで柔軟に対応できます。航空機部品のモックアップや風洞実験用モデルなど高度な造形物も手掛けてきた実績があり、そのノウハウを医療・工業分野の治具製作にも活かしています。必要に応じて複数パーツを組み合わせ、大型の構造体を製作することも可能です。

対応素材の多様さ

発泡スチロール(EPS)はもちろん、押出発泡スチロール(XPS)、発泡ポリエチレン(EPE)、発泡ポリプロピレン(EPP)など様々な発泡体素材に対応しています。素材ごとに硬さ・弾力・密度が異なり、それぞれ適した用途がありますが、弊社ではお客様のニーズに合わせ最適な材料選定についてもアドバイスいたします。

小ロット・短納期にも対応

試作品や単品加工を得意としているため、1個からの発注にも迅速に対応いたします。自社設備による一貫加工でリードタイムを短縮できるため、「急いで試作したい」「学会発表に間に合わせたい」といったご要望にもできる限りお応えします。実際の納期や費用については、形状・サイズ・数量によって変動しますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。

試作・研究用途の補助具製作でよくある相談

「一品物だが対応してもらえるか?」

単品からお気軽にご注文ください。他素材では数量が少ないと割高になる場合もありますが、発泡スチロールなら1個だけの製作でも効率よく対応できます。弊社は少量試作のニーズにもお応えしており、過去にも1点ものの特殊治具を多数製作してきた実績があります

「複雑な形状だが再現できるか?」

専用の3D加工機と職人の手仕上げにより、複雑形状も高精度に再現可能です。局所的な溝や穴あけ、曲面加工などにも対応しております。「こんな形は無理だろう」と思われるものでもぜひ一度ご相談ください。図面が無い場合でも、形状のイメージを共有いただければ弊社で設計のお手伝いをいたします。

「どの発泡材料を使えばいいか?」

用途に応じて最適な素材をご提案します。例えばX線撮影用で使い捨て前提ならEPS、強度や繰り返し利用重視ならEPP、といった具合にメリット・デメリットを説明しながら決定します。

「納期や予算の制約が厳しい」

お急ぎの場合はご相談ください。案件ごとにスケジュールを調整し、可能な限りご希望の納期に間に合うよう努力いたします。社内一貫生産の強みを活かし、短いリードタイムにも柔軟に対応します。また、予算面についても素材選定や加工方法の工夫でコスト圧縮できる場合がありますので、お打ち合わせの中で最善策をご提案いたします。